今宵の子守唄
2002年6月12日濡れたあじさいが
ちいさな
あくびを
ひとつ
小雨降るのも
知らない
夢見の君
こっちを
むいているよねぇ
あまつぶに
すきすきすきと
きかれては
いえすいえすと
うたうたのしさ
雨粒に
好き好き好きと
きかれては
イエスイエスと
謳うたのしさ
キッス
2002年6月9日おはよう〜
で
キッス
いってらっしゃ〜い
と
キッス
おかえりなさぁ〜い
の
キッス
おやすみぃ〜
も
キッス
それだけ
それだけの
一日が
ほしいの
うつろいの
ときのはやさに
とまどいて
みつめしこよみ
かぜとたわむる
移ろいの
時季のはやさに
戸惑いて
みつめし暦
風と戯むる
百人一首 三番 長々し夜を
2002年6月8日 雑歌・百人一種あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の
長々し夜を ひとりかも寝ん
(柿本人麻呂)
夜
つがいの山鳥は
谷を隔てて
朝を待つ
なぜ
山鳥の尾のような
長い
長い夜を
いつあけるとも知れぬ
この夜を
ひとりぼっちで
あなたを想い
あなたの温もりを
慕いつつ
冷えた体を
抱きしめていなければいけないの
ねぇ
いつになったら
あえるの
ひとりぼっち
そうおもわせない
きみだけど
ながながしよは
よわりもぞする
ひとりぼっち
そう思わせない
君だけど
長々し夜は
弱りもぞする
まぶしい朝
2002年6月7日眩い光に
身が竦む
新しい一日の
始まり
昨日のことは
過去
に
かおりたつ
にがきこーひーに
いをあらた
きのうをまるめて
ごみばこにぽい
香りたつ
苦き珈琲に
意をあらた
昨日をまるめて
ゴミ箱にポイ
季節の空を映して
2002年6月4日あなたにとっての青色は
どんな色ですか
運動会の空の色
恋人と行った海の色
はじめて手にした
クレヨンの「みずいろ」・・・
きっと
人の数だけ
青色はあるのでしょう
空の色をまねしたのではないかと
思いたくなるような
野の花たちの青も
それぞれ違います
まねしようと思いついた日の空の色が
それぞれ違うからかもしれません
ところで
花屋さんでは
青色は少数派なのに
野の花には意外と多いのです
しかも
ほとんどが小さな花たち
初夏の晴れ渡った空の下
そっと風に揺れています
身近な花の存在に気がつかなくなったのは
自然が破壊されたからではなく
私たちの五感が
自然と交信する方法を
忘れてしまったからかもしれません
さあ
思い出して
道端の花を感じてみてください
のべにさく
ちいさきはなに
えみかけて
おもいはせるは
あのなつのそら
野辺に咲く
小さき花に
笑みかけて
思い馳せるは
あの夏の空
Rururururu
2002年6月3日るるるるる
疲れたからだに
るるるるる
弱った心に
るるるるる
君の声が
るるるるる
さりげない
きみのことばに
うなずいて
まどろみおちる
よるるるるるる
さりげない
君の言葉に
頷いて
まどろみ落ちる
夜るるるるる
百人一首 二番 衣ほすてふ
2002年6月2日 雑歌・百人一種春すぎて 夏来にけらし 白妙の
衣ほすてふ 天の香具山
(持統天皇)
おーい雲よ
流れる雲よ
知らぬまに
季節は
移ろいだのね
まどろみの春の山が
鮮やかな夏色に
あら
古に
神が降りて
衣で占ったという
あの香具山に
白き夏衣が
眩く光っている
ああ
時季はうつろい
夏が来たのね
ささやかな
まどろみの日々は
去り逝きて
陽射し眩しき
夏来るらし
穏やかに
2002年6月1日プラタナスの
葉擦れの音も
爽やかに
アスファルトに
寄り添う影
おだやか
おだやかに
かわすことばの
たのしさよ
おもわずほとめ
みかわすえがお
穏やかに
交わす言葉の
楽しさよ
おもわず歩とめ
見交わす笑顔
百人一首 一番 露にぬれつつ
2002年5月31日 雑歌・百人一種秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ
わが衣手は 露にぬれつつ
(天智天皇)
深まる秋
月光に
光る稲穂
刈り穂の
仮小屋の
萱が
白露に輝く
一人淋しく
あなたを待つ
私の袖も
露にぬれる
いいえ
袖を濡らすのは
夜露だけじゃない
あなたを
慕う
あなたを想って
流す
涙
来て
庵のやね
月影すぎて
君きたる
虫の音響き
我も響かん
!!!あくまで、由良的解釈です
高校生の皆さん、試験にこの解釈は通用しません(笑)
ざっと
吹きつける風に
空を見上げる
天の
泪が
ぽつり
青桐の下に
駆け込む
とびまわり
おれしはねを
つくろいに
とびこむむねに
なみだこそふる
飛び回り
折れし羽を
つくろいに
飛び込む胸に
泪こそ雫る
由良のとを 渡る舟人 かぢを絶え
ゆくへもしらぬ 恋の道かな
由良の瀬戸
速い流れに
ゆらゆらと漂う小舟
漕ぎ渡ることもできず
漂う小舟
あぁ
わたしも
あの小舟
恋の激流に
渦に巻き込まれ
恋の波間に
ゆらゆら漂う小舟
あなたに
あうことも
話す事も
ままならない
なのに
あなたを
思い出にできない
恋
慕い
あてもない恋に
身を尽くす
ゆらゆらと揺れる
小舟
この歌は、百人一首の中では、とてもわかりやすい歌だと思います
この歌を読んで、誰もが、激流に漂う小舟を思い浮かべますよね
この歌がすきなのは、上三句の雄大な実景が
恋という観念を鮮明な形に詠いあげているところです
歌を詠み始めたときに、この歌のように
自然を雄大に歌い、尚且つ、心も詠みたいとおもいましたが
初心者に無理というもので
今のように、前ふりと歌という形になりました
いつか
一首で詠みあげたいものです
私のようなこだわりがなくとも
皆さんもこの歌だけは、なぜか覚えている
この歌だけは、絶対に取るという歌があるのではないでしょうか
よろしければ、おきかせください
掲示板でお待ちしております♪
微睡
2002年5月27日ひろい空
ながれる雲
大きく伸びをして
お昼寝日和
つかのまの
ときをつかみて
むさぼりて
ひざしかがやく
ゆめわかちあう
束の間の
時を掴みて
貪りて
陽射し輝く
夢分かち合う
紫陽花
2002年5月23日薄陽射す
穏やかな夕暮れ
癒しの雨を
まつ
紫陽花
うるおいの
やさしきことば
こころしみ
ぽとりぽとりと
しずくをうむ
潤いの
優しき言葉
心染み
ぽとりぽとりと
雫をうむ
山彦
2002年5月22日おーい
おぉーい
おぉぅーい
はーい
はぁーい
はあぁーい
ぁーん
あーん
ぁあーん
たわいない
たわむれのとき
よもすがら
あおきひかりに
こころたくして
他愛無い
戯れの時
夜もすがら
青き光に
心託して
こまどり
2002年5月18日ひんからら
ひんからら
雄のコマドリ
囀る
雌のコマドリ驚いて
ひんからら
ひんからら
小枝ゆする
笑みとともに
いじわるく揺れる小枝
笑みとともに
いじわるく
揺れ返す小枝
寄り添いて
ひんからら
ひんからら
さえずりに
さえずりかえず
むずかしさ
こころときめき
そっとだいたんに
囀りに
囀り返す
むずかしさ
心ときめき
そっと大胆に
降るる
降るる
雨が降る
青葉の隙に
雨が降る
さみだれは
わかばあざむき
ふりつづく
はくにゅうにけぶる
まちのこころかな
五月雨は
若葉欺き
降りつづく
白乳に煙る
俟ちの心かな
恋するふたりは
双子のよう
似ていることが
うれしくて
あ、まただ
と
心のアルバムが
ふえていく
想いかなって
ひとつになって
おなじ想いだと知る
永遠の
無限の距離も
知る
きみが
男で
わたしは
女
だから
こいしてる
きみのひとみに
うつるわれ
こころさらして
よろこびをしる
恋してる
君の瞳に
映る吾
心さらして
悦びを知る
白光の
まどろみの昼
闇の
豊饒な夜
つづりあわせて
ふたりの一日
やわらかな
あわいのひかり
きみのそら
あまきといきに
うなずきかえす
柔らかな
間の光
君の宙
甘き吐息に
頷きかえす
読みかけの本と
冷たいビールと
冒険心を
バッグに詰めて
歩き出す
私以外の
誰一人知らない
世界中で
たったひとりの
君を求めて
ささやかな
ゆめのじかんに
きみがいる
おいでおいでと
ほほえみながら
みをまかし
ときのながれを
とめるとき
わたしのうみに
ぷかりぷかり
ゆるやかに
かわきのこころ
うるおして
いつくしむたから
ふたりのじかん