見たよ
新宿の雑踏に
たたずむ君を
あれから幾つめの秋
紀伊国屋で
ほしい本に
手がとどかなくて
背伸びしていた私
君はなんなく捕って
渡してくれたね
それから
毎週木曜日に
君も
私も
そのコーナーにいたね
いつしか
言葉を交わし
いつしか
手を繋ぎ
なにに笑っているのか
わからぬままに
二人笑って
新宿を漂っていたよね
高校生の私には
院生の君は
大人すぎて
眩しくて
いつも
いつも背伸び
あの本の前のように
きっと
背伸びしすぎて
疲れたのかな
無口になった秋に
君も
私も
それぞれ歩き出した
その君を
見たよ
あの雑踏の中で
気付いて欲しい
気付かないで
人待ちの君を
ショーウインドウ越しに
見つめていたよ
蘇る香り
あのコロンを
今でもつけていますか
別れた後も
雑踏の中で
あの香りに
何度
振り返ったでしょう
お待たせの声に
振り向く君
その笑顔は
あのときのまま
笑顔の先には
同僚?
素敵な人が
現れるのを
待っていたのに
残念
そう
もう
私も背伸びはしない
振り返りはしない
君は
優しくあろうと
今でも
あくせくしているのですか
ガラスごし
なつかしかおり
よみがえる
ふらりたちよる
きのくにや5かい
硝子越し
懐かし香り
甦る
ふらり立ち寄る
紀伊国屋5階
ぎんなんを
ひろいあつめて
なげあって
においにふきだす
じんぐうのもり
銀杏を
拾い集めて
投げ合って
臭いに吹きだす
神宮の森
新宿の雑踏に
たたずむ君を
あれから幾つめの秋
紀伊国屋で
ほしい本に
手がとどかなくて
背伸びしていた私
君はなんなく捕って
渡してくれたね
それから
毎週木曜日に
君も
私も
そのコーナーにいたね
いつしか
言葉を交わし
いつしか
手を繋ぎ
なにに笑っているのか
わからぬままに
二人笑って
新宿を漂っていたよね
高校生の私には
院生の君は
大人すぎて
眩しくて
いつも
いつも背伸び
あの本の前のように
きっと
背伸びしすぎて
疲れたのかな
無口になった秋に
君も
私も
それぞれ歩き出した
その君を
見たよ
あの雑踏の中で
気付いて欲しい
気付かないで
人待ちの君を
ショーウインドウ越しに
見つめていたよ
蘇る香り
あのコロンを
今でもつけていますか
別れた後も
雑踏の中で
あの香りに
何度
振り返ったでしょう
お待たせの声に
振り向く君
その笑顔は
あのときのまま
笑顔の先には
同僚?
素敵な人が
現れるのを
待っていたのに
残念
そう
もう
私も背伸びはしない
振り返りはしない
君は
優しくあろうと
今でも
あくせくしているのですか
ガラスごし
なつかしかおり
よみがえる
ふらりたちよる
きのくにや5かい
硝子越し
懐かし香り
甦る
ふらり立ち寄る
紀伊国屋5階
ぎんなんを
ひろいあつめて
なげあって
においにふきだす
じんぐうのもり
銀杏を
拾い集めて
投げ合って
臭いに吹きだす
神宮の森
名月浮かぶ
羽田沖
銀色の翼が
きらきら一機
また一機
見慣れた景色
一人で見る風景は
記憶となり
いつしか
忘却の闇に消える
君と見た風景は
思い出となり
いつしか
心の疼きに
つきをめで
きみをめでたる
あきのよは
むしのねきえて
ふたりのかたり
月を愛で
君を愛でたる
秋の夜は
虫の音消えて
二人の語り
まだ
雀が寝ぼけている
薄暗い朝
肩をすぼめて
静かな街を
歩く
ひやっとした
風が
髪をすくう
色づき始めた
欅の葉のにおい?
アスファルトを転がる
銀杏のにおい?
乗るはずだった
バスの
排気ガスの臭い
おもわず
顔を上げる
風が運んでくる
今
風に吹かれるのがすき
あきたけぬ
よあけのときを
きてすぎる
かそかなるかぜ
かすかなるわれ
秋たけぬ
夜明けのときを
来て過ぎる
かそかなる風
微かなる我
ひょいと
見上げた空
どこまでも
たかく
たかく
秋にじむ
滲んで
紅に
暮れないに
染まりて
月を待つ
つきあびて
かぜにたわむる
ぎんのほが
さざなみおおなみ
やみよにうねる
月浴びて
風に戯むる
銀の穂が
小波大波
闇夜にうねる
目を閉じて
月を
思い浮かべる
まちかどで
つきにむかいて
せのびする
ふりむきしかげ
なきむしうさぎ
街角で
月にむかいて
背伸びする
振り向きし影
泣き虫兎
ひとくちを
のこしてきみに
くちうつし
ただようにおい
しんしゅのまろみ
一口を
残して君に
口移し
漂う匂い
新酒のまろみ
高い空の
そのむこうから
ごきげんな
お日さまが
照らしてる
季節が
立ち止まって
ぬくぬくと
まどろむ
まどろみの
こころのおくの
ゆめのうた
こよいよいゆめ
さそうこもりうた
微睡の
心の奥の
夢の歌
今宵良い夢
誘う子守唄
そのむこうから
ごきげんな
お日さまが
照らしてる
季節が
立ち止まって
ぬくぬくと
まどろむ
まどろみの
こころのおくの
ゆめのうた
こよいよいゆめ
さそうこもりうた
微睡の
心の奥の
夢の歌
今宵良い夢
誘う子守唄
時は
秋
刻々と
かわりゆく
空の色
どこまでも晴れ渡った
その空の
その果てに
ふくらんで
弾んだ心が
飛んでいく
ふんわり
ふんわり
とびさって
みえなくなった
ぷしゅん
小さなあなが
心を
しぼませて
ちいさく
ちいさく
しぼんで
硬く
いがいがの
石に
体中を
駆け巡って
痛みに
泪
そんなとき
ことばとことば
とびかわし
ふくらみはずむ
ひだまりのなか
秋
刻々と
かわりゆく
空の色
どこまでも晴れ渡った
その空の
その果てに
ふくらんで
弾んだ心が
飛んでいく
ふんわり
ふんわり
とびさって
みえなくなった
ぷしゅん
小さなあなが
心を
しぼませて
ちいさく
ちいさく
しぼんで
硬く
いがいがの
石に
体中を
駆け巡って
痛みに
泪
そんなとき
ことばとことば
とびかわし
ふくらみはずむ
ひだまりのなか
どこまでも
高く
高く
澄んだ
空
聴こえますか
トンボのとまった
電線が
秋の風に
揺れて
密かに
うたっている
謳っている
すきあらば
みはてぬゆめを
おいかける
じゆうにいきる
そんなふじゆう
隙あらば
見果てぬ夢を
追いかける
自由に生きる
そんな不自由
高く
高く
澄んだ
空
聴こえますか
トンボのとまった
電線が
秋の風に
揺れて
密かに
うたっている
謳っている
すきあらば
みはてぬゆめを
おいかける
じゆうにいきる
そんなふじゆう
隙あらば
見果てぬ夢を
追いかける
自由に生きる
そんな不自由
きっと
そう
あきだから
きみの
ことばだけで
うれしくなって
そして
そして
かなしくなる
ゆれるのも
ものおもいの
あきだから
そんないいわけ
つぶやいてみる
揺れるのも
もの思いの
秋だから
そんな言い訳
呟いてみる
そう
あきだから
きみの
ことばだけで
うれしくなって
そして
そして
かなしくなる
ゆれるのも
ものおもいの
あきだから
そんないいわけ
つぶやいてみる
揺れるのも
もの思いの
秋だから
そんな言い訳
呟いてみる
満ちた月は
あまりにも
心を奪う
だから
まだ
満月にも
間があるのに
あの
細い
ほそい
月を待つ
つきあびて
きばむくこころ
なであげる
ふるえるてのひら
きみのせのうえ
月浴びて
牙むく心
撫で上げる
奮える手のひら
君の背の上
> 凛さん
リンクありがとうございます
ただいま、相互枠がいっぱいで
こちらからはることができませんが
読ませていただきました
つたない歌ですが、これからもよろしく
あまりにも
心を奪う
だから
まだ
満月にも
間があるのに
あの
細い
ほそい
月を待つ
つきあびて
きばむくこころ
なであげる
ふるえるてのひら
きみのせのうえ
月浴びて
牙むく心
撫で上げる
奮える手のひら
君の背の上
> 凛さん
リンクありがとうございます
ただいま、相互枠がいっぱいで
こちらからはることができませんが
読ませていただきました
つたない歌ですが、これからもよろしく