白き杖

2009年3月6日 ポエム
 
いつもの
 
駅前の交差点
 
いつものように
 
彼女は
 
杖を握り
 
真っ直ぐ
 
前を見ている
 

信号が変わる
 

動き出さない彼女 
 
あっ
 
街宣車が流す音に
 
車の流れの音が
 
人の流れが
 
わからないのかな
 
そう思って
 
「信号変わりましたよ
 
 何かお手伝いできることありますか」
 

初めて聞いた
 
彼女の声
 
「ありがとう
 
 でも、私は大丈夫です
 
 貴女のことをしてください」

 
そう
 
人のお世話より
 
自分が自分になにをしているのか
 
なにをしようとしているのか
 

 

 
つえなきみ
 ひろがりしみち
  はてなきて
   かげろうのごとく
    ゆらりといっぽ
 
 
 
杖無き身
 拡がりし道程
  果てなきて
   陽炎のごとく
    ゆらりと一歩

 
 


   



暮れの空

2008年12月27日 ポエム
 
クリスマスの

喧騒が遠退き
 
新しい年の

足音が聞こえてくる
 

見上げて
 
今日の空を
 

誰にとっても 

怒涛の一年 
 
あんなこと

そんなことは
 
過去のことと
 
清浄な空が
 
広がっていく
 
 
 

そらがある
 このこころにも
  またきょうも
   はてなきそらに
    われただよいて
 
 
 
 
空がある
 この心にも
  また今日も
   果てなき宙に
    吾漂いて










 
 

 

 

秋なのに

2008年11月15日 ポエム

街が

色づき始めた

秋なのに
 
二人の夜は
 
春霞
 
万の花びらが流れていく


 
ゆるゆると
 ときをきざみて
  よりそいて
   ことのはかわす
    ぬくもりうれし
 
 
 
     ゆるゆると
      時を刻みて
       寄り添いて
        言の葉交わす
         温もり嬉し






目を交わし
 グラス交わして
  時交す
   この身その身に
    交して幾瀬


 
 



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