喪われゆく語感
2002年7月16日ふと
感じる
この気持ち
言葉にしたい
さがして
さがして
辿りつく
そんな
言葉があります
忘れ去られた
言の葉
あいまいな
にじむきせつの
いろどりは
かのことばだけ
ふさわしかな
雲が飛ぶ
白くちぎれた
雲が飛ぶ
雲の峰を
白南風が
吹き飛ばす
しろはえに
ふかれてなつに
またいっぽ
こころわくわく
35どのひるさがり
白南風に
吹かれて夏に
また一歩
心わくわく
35度の昼下がり
白南風(しろはえ)
梅雨の終わりに吹く強い南風
はるかあきとさん リンクありがとうございます♪
けだるい
けだるい
昼下がり
劇は
ゆっくり
進行する
はだみせて
おとことおなんな
すれちがい
からみしひとみ
ひとなつのこい
肌見せて
男と女
すれ違い
絡みし瞳
ひと夏の恋
罪な台風
2002年7月10日激しい雨
立ち竦む
飛行機
テルテル坊主
つくったのに
けっこうの
てんめつもじが
にじんでく
うそといってよ
じょうだんだよと
欠航の
点滅文字が
滲んでく
嘘といってよ
冗談だんだよと
Sちゃん 最終便まであきらめないで
台風なんて なにさ
昨日は七夕
2002年7月8日一日が
終わりを告げる
サンドバックのような
重い体を
ずるずると
引きずる
溜息ひとつ
見上げる空に
まだ
夢心地の
織姫と
彦星が
たなばたの
あまきおうせに
よいしれる
ほしをうらやむ
わがみわらいて
七夕の
甘き逢瀬に
酔いしれる
星をうらやむ
わが身笑いて
きづかいの
めーるになみだ
あふれても
(笑)をとばす
レスに(苦笑)
あいしてる
たぶん
百人一首 98番 みそぎぞ夏の
2002年7月5日 雑歌・百人一種風そよぐ ならの小川の 夕暮れは
みそぎぞ夏の しるしなりける
(従二位家隆)
風が
そよそよと
上賀茂の社を
御手洗の川面を
吹き渡っていく
揺れる楢の葉
響くせせらぎ
葉の彩りに
またひとつ
季節の移ろいを
感じる
この夕暮れの
夏越しの祓えの
禊だけは
まだ
夏
せせらぎに
楢の葉そよぐ
宵待ちは
契しきみの
いまをおもう
茄子
2002年7月4日なすが
ぶらりん
ぶらんこしてる
でぶちゃんおなすが
おもたそう
なすが
ぶらりん
ぶらんこしてる
ちびちゃんおなすが
うれしそう
あいざらの
なすのおこうこ
すがすがし
ふたいろのはし
ふれてほほえむ
藍皿の
茄子のお香香
すがすがし
二色の箸
触れて微笑む
砂漠の時計
2002年7月2日時が
流れる
なんのため
誰のため
時を
はやめて
逢いたいの
時を
止めて
のだから
ことばなく
ながれるすなの
ゆくてには
ほてりしこころ
おあしすのきみ
言葉なく
流れる砂の
往く手には
火照りし心
オアシスの君
雨中の中
夢中で
緑の木々を
滑り落ちる
雨だれを
みつめる
褐色に
若葉色に
鶯色に
自在に
変化する
天の申し子たち
つるりんと
はとたわむれる
しずくたち
うけるてのひら
みどりにそまる
蛍
2002年6月30日たえざらん
おもいをひめて
よいにまう
きみのてかごは
あまいみつのか
絶えざらん
想いを秘めて
宵に舞う
君の手篭は
甘い蜜の香
せせらぎに
あしのはゆれる
つきゆれる
よりそうほたる
よいやみゆらす
せせらぎに
葦の葉揺れる
月揺れる
寄り添う蛍
宵闇揺らす
ほたるびに
うかぶよこがお
まぶしくて
うわめづかいに
みつめてそらす
蛍灯に
浮かぶ横顔
眩しくて
上目遣いに
見つめて逸らす
たなばたの
ささのはながす
せせらぎに
うつるほたるひ
こゆびを結ぶ
七夕の
笹の葉流す
せせらぎに
映る蛍灯
小指を結ぶ
相聞歌
2002年6月25日硝子越しの
街が
雨に煙る
そっと
指書きしおる
君の名
寄り添う
私の名
きみこいて
いずみのごとく
うたあるる
うつりしすべて
そうもんとなす
君恋て
泉のごとく
歌生るる
映りしすべて
相聞となす
姫さん
リンクありがとうございます
明けの空
2002年6月24日あと
ちょっと
もう
ちょっと
月が眠るまで
そばにいて
しずみゆく
つきをよこめに
だだこねて
すねてあまえる
こえかよわしく
沈みゆく
月を横目に
駄々こねて
拗ねて甘える
声か弱しく
追憶
2002年6月23日暑い日差しの中
その人の
笑顔が
飛び込んできた
一葉の
思い出もないのに
懐かしい気がした
疲れた心を
揉みほぐしつつ
刺激をあたえる
そんな
話し方に
聞き惚れた
あのときを
ついおくできる
このときを
ひとりただよい
つぎのときまつ
あの時を
追憶できる
この時を
一人漂い
注ぎの時まつ
夢模様
2002年6月21日夢見たの
そう
ねぇ
べそかいていた
おこっていた
甘えていた
とびっきりの
笑顔だったら
いいのにな
さよなかの
きみのねがおの
ほほえみを
みつめていたい
みつめさせてよ
小夜中の
君の寝顔の
微笑を
見つめていたい
見つめさせてよ
ぽろろん
ぽろろん
ピアノが
誘う
ぴちゃん
ぽちゃん
雨だれが
歌う
あまだれは
そらのぬけがら
かなしくて
われをわすれて
ようきにうたう
雨だれは
空の抜け殻
哀しくて
われを忘れて
陽気に歌う
ぽろろん
ピアノが
誘う
ぴちゃん
ぽちゃん
雨だれが
歌う
あまだれは
そらのぬけがら
かなしくて
われをわすれて
ようきにうたう
雨だれは
空の抜け殻
哀しくて
われを忘れて
陽気に歌う
半べそ
2002年6月19日梅雨を
忘れさせる空
初夏の
薫り運ぶ風
洗濯物が
笑ってる
でも
心が乾かない
だいじょうぶですか
だいじょうぶですよね
おろおろと
ゆれるこころが
いとおしく
きみとおもいて
わがみをいだく
おろおろと
揺れる心が
愛しく
君と想いて
わが身を抱く
おきにいり
2002年6月17日溶けた硝子は
赤い火の玉
溶けた硝子は
とらえどころがない
冷えた薄硝子は
光を
跳ね返し
涼しげに
佇む
みなづきの
はれまのつきを
はねかえす
うすきぐらす
こはくおもいて
水無月の
晴れ間の月を
跳ね返す
薄きグラス
琥珀想いて
百人一首 百番 なほあまりある
2002年6月14日 雑歌・百人一種ももしきや 古き軒端の しのぶにも
なほあまりある 昔なりけり
(順 徳院)
あぁ
今日も
雨が
あぁ
わが宮中
軒端は
すでに朽ち
忍草まで
生い茂る
あぁ
いまさら
偲んでも
偲びきれぬが
懐かしく思う
延喜天暦の昔
明るい御代
栄光に満ち
栄華に輝き
希望と
歓喜の日々の御代
あぁ
移ろいの
時を偲びて
明け暮れて
儚きわが身
佐渡に泪す
卯の花
2002年6月13日七色の
紫陽花に
零れ散る
淡雪
空木の花
つきかげに
こぼれちるゆき
うのはなに
のこりがみとめて
まぶしくあおぐ
月影に
零れ散る雪
卯の花に
残り香みとめて
眩しく仰ぐ
卯の花:空木(うつぎ)の花の総称