夢見歌
2003年8月14日朝露が
ふるころに
遊びつかれた
夜が
こそっと
かえっていく
ゆめじにて
かわすまなざし
なつかしく
たどるこみちも
かろやかスキップ
からませし
ゆびをふくみて
まどろむは
おさなごになりて
ときをわするる
きぬずれの
おとのかいわに
めがわらう
ときよとまれ
えいごうのとき
ゆるやかな
ながれにゆれし
ささぶねの
あさつゆきらり
しあわせなみだ
とけいりて
むかえるあさの
まぶしさに
きみのむねに
ふたたびしずむ
ぴかん
ぴかーん
ぴかーーん
夏の
朝の青空は
どこまでも
どこまでも
ぴかーん
くたくたの
こころにまぶし
なつのあさ
じょうろのみず
べにづめぬらす
くたくたの
心に眩し
夏の朝
如雨露の水
紅爪濡らす
お〜い
お〜〜い
夏よ
早くこい
お日さま
ぎらぎら
だから
夏やすみ
かんかん
照りつける
日の下で
いくら
背伸びしても
世界は
ひろ〜〜い
それが
なつやすみ
えいえんに
やすみがつづく
なつやすみ
ひろがるせかい
あすもたんけん
永遠に
休みが続く
夏休み
広がる世界
明日も探検
七月 八日
2003年7月8日今年の七夕も
傘ごしに
見上げる夜空
あの雲に
隠れて
織姫と牽牛は
どんな一夜を
過ごしたのでしょうか
ときがたち
またこいをしてる
われがいる
ゆれるたんざく
ことしもきみのな
時がたち
また恋してる
我がいる
揺れる短冊
今年も君の名
ちっ
ちっ
と
雀が
朝を
告げる
ぽ〜ん
ぽん
と
蓮の花が
目を醒ます
あさかぜを
つきやぶりては
さくはなの
はかなきとき
きらめきのとき
朝風を
突き破りては
咲く花の
儚き時
煌めきの瞬時
水雲抄 参 掲示板より
2003年7月1日 雑歌・百人一種告げざりし想いの恋とあきらめて
夏に向かいて走る走る日々
断ち切りし刃の光まぶしくて
それでも一歩絶ちとどまらん
いつの日かこの胸に棲む妖精を
解き放たん阿修羅になりて
揺らめきの炎に投げし恋心
思い切れずに夜空を焦がす
靄に目覚めの小鳥寝ぼけ声
長き一日チイとはじまる
珈琲の香りたなびく朝だから
おはよう言う君いてほしい〜♪
さしのべしこの指先にふれしきみ
命のすべて吹き込まれし
傷つけて傷つけられし青いとき
それでも燃える時よまぶしく
ふわふわの わたげあつめて ゆめまくら
いっしょにみるゆめ しょかのはなばたけ
こそばゆい想いはどこに続くのか
握りしめたる手そっとひらく
谷越えて山吹き渡る風にのり
緑翠の木々を見つめん
切り裂きし雲の波間に飛び込んで
すとんと落ちる君の腕の中
わくわくのときはまだかなまだかなと
見やる携帯着信の音
あまだれがぽつんぽつんと子守唄
羊とともに眠りに誘う
雨上がり小さな駅舎に虹かかる
見上げし人に笑みの輪広がる
堀川に映りし柳風誘う
路地に響くはきみの下駄の音
昼顔のそっと眠る宵闇が
迫りし時に風鈴響く
月待つと人にはいいて君を待つ
暮れなずむ空星指おりて
初恋は電車の中刷り目の端に
人に押されて嬉しき隣
海神の歌ねど知らぬそぶりして
うみをおおぞらをともにうたわん
水雲抄 弐 掲示板より
2003年6月30日 雑歌・百人一種恋の歌詠めども尽きぬこの想い
あまたの言葉今日も集めし
あっぷっぷ〜みつめみつめしきみなれば
恥ずかし想いそっと目泳がす
ため息と嘯きながら吐息つく
くすぐる夜風うなじにからみて
からからと空に浮かびしかざぐるま
不安の風体よじりて
マロニエのゆれる街角君と行く
ワインとチーズ楽しい重さ
この恋を夢物語と言えなくて
最終章をそっと破りし
迷わせる風にウインク投げキッス
夏はらむ宵ときめきを呼ぶ
丘に立つ君が遠くに見える日は
ときめきの風そよ風に似て
クローバーの野原に沈みて空見上ぐ
流るる雲は帆船になり
月想い心のさざなみ騒げども
緑にむせしとき移ろいて
口ずさむ想い出の唄は秘密なの
カラオケで聴く日気分はブルー
青嵐ふくにまかせよ恋天気
大樹はさんでいまはみえねど
よりそいし君の心を想うとき
頬紅に静かに染まる
藤花と一緒に揺れる蜘蛛の子も
絡ませしあやいとといてまるつくり
覗きしそらは満願の笑み
おぼろつきよ
きみとあるいた
あのみちを
ひとりたどって
はるをたのしむ
まどろみの
夢に浮かぶは
いにしえに
契りしあの日
前世の恋
恋心
託す言の葉
飲み込んで
冷めた珈琲
苦き唇
悲しみも
怖れもすでに
葬むりて
賭けしこの恋
命の限り
海の声
とらえてはなさぬ
この心
薄紅の
囁きの貝
よするなみ
たわむるわれの
あしもとに
トライする君
おかしくうれし
あのひとの
えがおうれしく
ゆめのなか
それでもうれし
うちあほやねん
あげそめし
まえがみゆびに
からめては
きみのくちずけ
そっとまつの
指かけし
涙に浮かぶ
月影は
心の揺れに
似た形かな
鍵盤を
人差し指が
跳ね回る
咲いた咲いた♪
チューリップの花
さいかいの
うたたからかに
めをあわせ
あわせしぐらす
はれるやさけぶ
葉桜に
彼の地に咲く日
逢瀬する
そんな夢見る
朧月夜
口ずさむ
遥かな尾瀬は
遠き夢
水辺に流るる
雲すくいし
哀しさを
抱える心
愛(いとおし)く
君の名呼びて
想う初夏
はらはらと
こぼすなみだを
すくわれて
すねるひまなく
あまえるこよい
あのときの
ふれしゆびさき
あのおもい
こころのふるえ
いまもひろがる
おとづれし
君の靴音
かつかつと
高まる心
おさえきれずに
駆け抜ける
緑香まとい
春の精
木洩れ日浴びて
ほらきらきらり
月浴びて
辿る小道に
乱舞する
蝶と見まいし
空木のはなびら
グラスより
覗き見あぐる
横顔は
愁いが揺れて
子どもに戻る
めでたきと
いわれしものの
春は逝き
移ろいしとき
思い返す日
おさんぽ
2003年6月25日ゆっくりと
ちょこちょこと
足が
進む
ひさしぶりに
歩き回って
足が
不満げ
でも
楽しかった
ひさしぶり
うるるのこえを
おしかくし
きみのやさしさ
むねいっぱいすう
だだこねて
あまえてないて
こまったこ
ささえしきみは
まゆだまのように
きらいって
つげてほしくて
まちかまえ
おびえるこころ
みすかしだかれ
はっと
気がついたら
きみが
笑っていた
つられて
私も
ふふふ
つゆににて
まいにちふりそう
こころそら
ゆめのえがおに
すかっとはれて
梅雨に似て
毎日降りそう
心空
夢の笑顔に
スカッと晴れて
窓の外は
今日も
降りだしそう
梅雨だもの
わかってる
なのに
つい
つい
ためいき
雨降り花を
つまないで
くるなつに
たちはだかりし
ひびのあめ
うのはなちらし
あじさいわらう
来る夏に
立ちはだかりし
日々の雨
卯の花散らし
紫陽花笑う
睡風
2003年6月3日そよそよと
眠り風が
吹きすぎる
午後の
時計は
大あくび
しんとした
しゃないにひとり
またひとり
こっくりこっくり
ゆめまただよう
しんとした
車内にひとり
またひとり
こっくりこっくり
夢間漂う
ぽつん
ぽつん
と
あまだれが
忍び寄る
眠れぬ心に
忍び込む
ぽつん
ぽつん
あまだれは
ねむれぬよるの
こもりうた
まくらぬらして
ゆめをむすびて
雨だれは
眠れぬ夜の
子守唄
枕濡らして
夢を結びて
飛行跡
2003年5月9日雨が
あがった
どこまでも
青い
刷毛で
一気に
さっ
さーっ
さーー
つばめがとぶ
朝風や燕のはねすくいける
みるままに不帰別れし燕の巣
ことさらに歩緩めて観る燕の子
草青む君に依る土手夢の中
スイトピーの花びらのごとし柔き一語
勇肌
2003年5月7日さらさらと
心地よい風
暑すぎない風
肌が喜ぶ
町々の
辻から
お囃子が
空に上る
わっしょいと
くりだすみこし
よろこびて
ぶつかりしはだ
えがおまんがん
わっしょいと
繰り出す神輿
悦びて
ぶつかりし肌
笑顔満願
ひましに
濃い緑香に
つつまれていく
ここにも
そこにも
小さき花が
かぜうけて
みゆるかぎりの
はるおしみ
しゅんしゅうを
いっきにのみほす
風受けて
見ゆる限りの
春惜しみ
春愁を
一気に飲み干す
片肺
2003年4月30日初夏の
陽射しが
乱舞する
目を細めることもできず
ようこうの
てらすかげは
かなしくて
かたはいのこい
ささやきもなく
陽光の
照らす影は
哀しくて
片肺の恋
囁きも泣く
ふじづるに
とらわれしこい
たちきらん
むかいしわれを
とらえしきみ
藤蔓に
囚われし恋
断ち切らん
向かいし我を
捕らえし君
ほほえみて
とらえるきみは
かげろうか
あずけしこのみ
だいちになく
微笑て
捉える君は
陽炎か
預けしこの身
大地に泣く
みどり風が
吹き抜ける
ふわふわと
綿毛が
空に
すいこまれていく
どこまでも
どこまでも
きらり
きらり
そらをいく
たんぽぽのこよ
つげにこい
かのひとのいま
おもうこころを
空を行く
たんぽぽの子よ
告げにこい
彼の人の今
想う心を
吹き抜ける
ふわふわと
綿毛が
空に
すいこまれていく
どこまでも
どこまでも
きらり
きらり
そらをいく
たんぽぽのこよ
つげにこい
かのひとのいま
おもうこころを
空を行く
たんぽぽの子よ
告げにこい
彼の人の今
想う心を
一年前の歌
わっさ
わっさと
梢がゆれ
花水木の花が
ちいさく
小さく
頷き返す
かぜきざむ
はるのりずむに
ゆれおどる
しろきすかーと
ひとひらのはな
風刻む
春のリズムに
揺れ踊る
白きスカート
一片の花
今日の歌
ペダルをこいで
銀輪を
走らせる
どこまでも
どこまでも
春を
追いかけ
走らせる
かぜになり
みどにそまりし
さくらみち
このさききっと
てをふるきみが