水雲抄 四 −掲示板よりー
2004年4月14日 雑歌・百人一種こそばゆい甘き言葉がくすぐりて
耳から染まるきみのすべてに
笑いあい見詰め合うとき幸せと
きみがくれた宝抱えて
目を閉じて雨音ぽとり聞きほれる
安らかな寝息思わず笑みが
グラス越し覗く君の目きらきらと
だ〜いすきだよわいんがねふふふ
求め合い絡みあいてうとうとと
漂う時の口許笑みに
ひるがえる浴衣の裾に蛍かな
見つめる君にうなじ染まりて
くすぐりの君の舌先うけけとめて
応える素肌玉響の声
すましてる流れる雲を踏み潰し
尻尾高き白っぽい猫
露草の藍より青き空のはて
煌めきの海眩しき時季
うつろいし人の心は陽炎と
無残にいいて空蝉天に
雲の間に隠れしおひさま
ため息一つ詩をくちづさむ
このこころ見ぬ振りしてる花火空
せめてもさけよ線香花火
青空を望みて天を刺す
雲の切れ目の情けのひさし
小さき灯 明日の平和に 続けよと
見守る母の 瞳まぶしく
君の見た雲かと思う夢の中
形変れど心変らず
囁きが きこえたようで ふりあおぐ
さんさんさんの 陽射し眩しく
打ちあがる はるかはるかの 夜の華
落ちくる先に きみの窓影
ちょきちょきと切り裂く雲間もどかしく
ぎらぎら太陽ぐっとつかみだす
錦織る その手を止める 空模様
天の悪戯 天の気まぐれ
暗き空悲しみの色ねと君は言う
そっとくちづけまだ哀しいかな
木枯らしを横目に睨み編みこみて
フットため息まだら模様
抱きしめし君の面影軽やかで
沈む心にさよならの秋
ふる雪の生まれをどこと訪ねれば
悲しき瞳君にすがりし
移ろいの時季の狭間に揺れる日は
眠り忘れて囁き交す
一つ穴筒を覗けば広がりて
世界は果てなく林檎がぶり
つま先を過ぎる光に目をつぶる
眩しすぎるよ12がつの夜
アダム呼ぶこえのむこうは別世界
その一歩に戸惑う私
ススキ原銀の小波地の果てに
一風吹いて宙に広がる
あき滲む空の果てより君の香が
げんきだせよとわれにからみし
すぃす〜ぃと澄みきる空に筆の跡
茜の色の雲また君と見ゆ
吐く息の先にちらつく白雪を
あの日あの時 重ねて見やる
冬の夜ま白き息はゴジラかな
酌み交わす盃に頬染まりゆく
とり歌う春の朝日に君の顔
ゆがみし頬にそっとくちづけ
たちこめる朝の珈琲マグカップ
がんばろうね今日もまた
こつこつと迫り来る音とまどいて
小首傾げて君だと願う
初春ののどかな気分むさぼりて
夢にて交す年賀の笑み
目を交わしグラス交わして時交す
この身その身交して幾瀬
コメント