おぼろつきよ
きみとあるいた
あのみちを
ひとりたどって
はるをたのしむ
まどろみの
夢に浮かぶは
いにしえに
契りしあの日
前世の恋
恋心
託す言の葉
飲み込んで
冷めた珈琲
苦き唇
悲しみも
怖れもすでに
葬むりて
賭けしこの恋
命の限り
海の声
とらえてはなさぬ
この心
薄紅の
囁きの貝
よするなみ
たわむるわれの
あしもとに
トライする君
おかしくうれし
あのひとの
えがおうれしく
ゆめのなか
それでもうれし
うちあほやねん
あげそめし
まえがみゆびに
からめては
きみのくちずけ
そっとまつの
指かけし
涙に浮かぶ
月影は
心の揺れに
似た形かな
鍵盤を
人差し指が
跳ね回る
咲いた咲いた♪
チューリップの花
さいかいの
うたたからかに
めをあわせ
あわせしぐらす
はれるやさけぶ
葉桜に
彼の地に咲く日
逢瀬する
そんな夢見る
朧月夜
口ずさむ
遥かな尾瀬は
遠き夢
水辺に流るる
雲すくいし
哀しさを
抱える心
愛(いとおし)く
君の名呼びて
想う初夏
はらはらと
こぼすなみだを
すくわれて
すねるひまなく
あまえるこよい
あのときの
ふれしゆびさき
あのおもい
こころのふるえ
いまもひろがる
おとづれし
君の靴音
かつかつと
高まる心
おさえきれずに
駆け抜ける
緑香まとい
春の精
木洩れ日浴びて
ほらきらきらり
月浴びて
辿る小道に
乱舞する
蝶と見まいし
空木のはなびら
グラスより
覗き見あぐる
横顔は
愁いが揺れて
子どもに戻る
めでたきと
いわれしものの
春は逝き
移ろいしとき
思い返す日
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